「アルジャーノンに花束を」読了して(ネタバレ)

現代の偏差値受験による学力の均一化、テストのための詰め込み教育、ネットによるコピペ問題を、風刺している様に思います。当時最新の心理学による実験材料にされた主人公が、知識を蓄えるにつれて社交的な能力を獲得して、実験は成功するかに思いましたが、友人や周りの人は急に賢くなったチャーリーが自分を馬鹿にしているかのように勘違いするなど、だんだん孤立して行きます。障害児で母から満足な愛情を得られなかった幼少期をトラウマとしてフラッシュバックに悩まされるチャーリー。

正直で馬鹿にされてもみんなと仲良くなりたいと思う、今までのチャーリーは影をひそめ、急に賢くなって自分を見下してると思いチャーリーを恐れる周りの仲間に疎外感を感じるチャーリー。女と付き合って、消耗(バーンアウト)し、享楽的で自己中心で独善的で傲慢になった自分に驚いて分裂が進行して論文の結果は仮説の反証に終わり、周りのサポーターを裏切ってしまう。

僕はチャーリーは実験をしつつ、周りの人と共感する能力を与えられていたら共感する人がいたら社会的に孤立することもなく無事、更生していたと思った。自分の時間を知識の蓄積、研究にのみ使うのではなく他人と共有し、人の心に寄り添う優しさが発達していれば実験は成功していたと思った。(粉みかん)

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